前回の記事(第2話)
前回は訓練校の雰囲気や数学との格闘について書きました。
▶未経験が職業訓練校に入学したら、最初の壁は数学だった | 未経験からITへの挑戦と現実
今回はCCNAの授業が始まった日の話です。
授業は糸電話から始まった
初回授業、先生がいきなり糸電話を持ち出してきました。
「これが半二重通信や」
片方しか話せない。同時には無理。それがハブの仕組みだと。
「こっちが全二重通信や」
お互い同時に話せる。それがスイッチの仕組みだと。
先生はいたって真面目。でもクラス全員が笑ってました。その温度差がまたおかしくて(笑)。
某芸人にそっくりな個性的な先生で、もともとハード系出身。ネットワーク専門じゃないから、生徒と一緒になって「どうやろ?」とやってくれるスタイルが好きでした。
ルーター、スイッチ、ハブの違いも説明してくれて、今はハブはほとんど使わないという話も。そして2進数の話も出てきました。
ちょうど数学でも2進数をやってた時期で「またかよ」という気持ちと「あ、つながってるのか」という気持ちが半々。1と0が並ぶ感覚はまだよくわからなかったけど、まあいずれわかるだろうとざっくり把握してました。
サーバールームに初めて入った
しばらくして「サーバールームに行って自分の機器を取ってきてください」という指示が出ました。
入った瞬間、まず涼しい。最高でした。
目に飛び込んできたのが、複雑に並んだサーバーの数々。ケーブルが張り巡らされて、機器がぎっしり積み上がってる。思わず見入ってしまいました。
自分の番号が振られたルーターとスイッチを持って自分のデスクへ。デスクはかなり広くて引き出しもついてる。
「これがルーターとスイッチか。まあまあでかいし重いな」
LANケーブルも「これで刺すんやな?」くらいの認識でした。
島は4人1組。まだチーム演習はないけど、
「どこにケーブル刺すんやろ?」と自然に周りと教えあいながら進めてました。
前の席の人が、とにかくなんでも知ってる人でした。「なんでこの人ここにいるの?」と思うくらいの玄人。困ったときにぼそっと教えてくれる。無口だけど頼りになる存在でした。
外装確認とポート確認
まず外装を確認して、次にポートの動作確認です。
ケーブルを刺してランプが点灯・点滅するかを確認する。それを全部のポートでひたすら繰り返して、先生が準備した点検表にチェックを入れていきます。型番、確認時間、点検者の名前まで書く本格的なやつです。
先生から「現場でも実際にこういう点検をします」と言われました。正直「本当にこんな面倒なことしてるの?」と思いましたが、1つのポートに異常があるだけで大変なことになる。確かにそうだなと。
ランプを確認してチェックするだけでも緊張してました。でも嫌な緊張じゃない。「いよいよ始まるな」というわくわく感でした。
Tera Termを開いた瞬間にパニックになった
ポートの動作確認が終わると、いよいよ初期設定です。
授業は先生の画面が生徒のディスプレイに共有される仕組みで、それを見ながら進めていく形。
手元カメラでハードを映して接続口を説明してくれたり、ピンマイクで声もクリアに聞こえる。「わからなかったら全然止めていい」という雰囲気で、プレッシャーなく進められました。
まず先生から「Tera Termというソフトをインストールしてください」と言われました。言われるがままにインストールして、設定して、コンソールケーブルで機器と繋いで。
Tera Termを開いた瞬間、画面に英語がずらずらと流れ始めました。
「え、え、え?」
止まらない。どんどん流れてくる。自分の機器だけバグったのかと思って、速攻やらかしたと焦りました。完全にパニックでした。
でも周りを見ると全員同じ画面になってる。先生も普通に進めてる。
映画でハッカーが黒い画面に向かってカタカタやってるやつ。あれが正常な状態だったんです。
enableで特権モードに入って、configure terminalで設定モードへ。
ホスト名、パスワード、IPアドレスを設定して、show running-configで確認して、copy running-config startup-configで保存する。
ちなみにパスワードは「ccna」にしました。絶対に忘れないだろうと思ったので(笑)
タイピングが遅い自分はついていくのが必死。コマンドの意味もよくわからないまま、ただ手を動かしてました。
SE出身の人たちはスイスイ進んでます。自転車屋さんやAU店長、トラックドライバーは私と同じで困惑している様子。「あ、みんなも同じか」とちょっと安心しました。
終わったときにはどっと疲れていました。
やっと始まった、そして絶望した
家に帰ってふと思いました。
「やっと始まったな」
港湾辞めて、訓練校入って、ようやくここまで来た。CCNAが取れるのかという不安はありました。でもやってることは嫌いじゃない。それだけで十分でした。
この日の終わり際、先生からPing-tという教材を紹介してもらいました。「卒業生はみんなこれでCCNAに合格してきました」という話を聞いて、帰ってすぐに開いたんです。
問題の意味が全くわかりませんでした。
これが本当の絶望でした。
その日はそっとPCを閉じました(笑)
でもまあ、始まったばかりです。前向きにいこうと思いました。
次回の記事(第4話)
CCNAの授業が始まりました。気づけば、ネットワークの世界にのめり込んでいました。
▶未経験がCCNA取得を目指して、昼休みも放課後もネットワーク機器を触り続けた話 | 未経験からITへの挑戦と現実
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▶ 第1話:12年間港湾で働いた私が、未経験からネットワークエンジニアを目指した話 | 未経験からITへの挑戦と現実

