前回の記事(第7話)
LPICかLinuCか。迷いながらも、夏休みにLinuC Level 1を取った話です。
▶ LPICかLinuCか。僕はLinuCを選んだ。 | 未経験からITへの挑戦と現実
そして今回は、その続きです。
次の試験はもう決まっていた
LinuCに合格した頃には、次の試験日がもう決まっていた。
工事担任者デジタル1級が11月末。
電気工事士の実技が12月中旬。
電気通信主任技術者(伝送交換)が1月末。
この3つを順番にこなしていく必要があった。
工事担任者と電気通信主任は、どちらも3科目ある。
工事担任者に合格すると、電気通信主任の基礎が1科目免除になる。
だから工事担任者はマストで合格しなければならなかった。
電気通信主任が一番難しい。
正直、3科目一発合格は無理だと思っていた。
そのためにも、電工の学科を早めに片付ける必要があった。
CBT試験の期間は9月末から10月にかけて設定されていた。
普通のペーパー試験もあったが、最短で終わらせるためにCBTを選んだ。
工事担任者の勉強時間を少しでも長く確保する。
それだけだった。
そもそもこの学校は、ネットワークエンジニアを目指す学科だ。
それでも電工のように汎用性の高い資格にも挑戦できた。
自分は面接の時に社長と交わした約束もあったので、本気で取りにいっていた。
オームの法則すら怪しかった
LinuC合格後、ちょうど学校でも電工の授業が始まった。
まずは学科からだ。
あらかじめ購入を勧められていたテキストを開いた。
イラストが多く、素人でも分かりやすい作りだった。
授業はそのテキストを進めていく形で進んだ。
それでも電圧・電流・抵抗、V・A・Ω。
オームの法則すら怪しかった。
高校は商業で、電気なんてまともに勉強したことがなかった。
工具の名前も最初は覚えられなかった。
でも授業ではテスターなどの工具を実際に触ることができた。
本で見るだけでは分からなかったことも、手を動かしているうちに少しずつ頭に入ってきた。
体で覚える感覚はLinuCの時と同じだった。
計算という壁
やはり壁になったのは計算だった。
ネットでは「電工2種の計算問題はレベルが低い」という情報が多かった。
それでも自分には厳しかった。
そこで助けてくれたのがK先生だ。
バスの通勤時間にも数学の公式を考えているという、24時間数学と向き合っている人だった。
どんな初歩的な質問をしても、笑って教えてくれた。
先生に言われた通り、過去問を繰り返した。
10年分をひたすら回していくうちに、計算が少しずつ解けるようになってきた。
複線図という別の壁
計算が何となくできるようになってきた頃、次の壁が来た。
複線図だ。
電気の配線をどう組むかを図で表したもので、実技試験でも必ず必要になる。
これがなかなか理解できなかった。
助けてくれたのが同級生のUさんだ。
40代後半の女性で、元自転車屋さんだった。
お菓子が大好きで、クラスのムードメーカーだった。
Uさんは前期試験ですでに電工2種を取得していて、1人だけ電工1種の勉強をしていた。
クラスの電気の先駆者だ。
白いコピー用紙に、赤・青・黒のボールペンで色を付けながら教えてくれた。
「こっちの方が分かりやすい」と。
手とり足とり教えてもらった。
そのたびにお菓子を返していた。
回数をこなすうちに、複線図も少しずつ解けるようになってきた。
間に合った
過去問10年分をほぼ完璧に仕上げられた頃、試験まで残り1週間だった。
最初は絶望していたが、何とか間に合った。
余った1週間は工事担任者の勉強に少し手をつけたが、計算問題のレベルが電工とは全然違った。
2か月で間に合うのか。
本当に焦った。
とりあえず電工が先だ。
概要だけ把握しておこうという感じで、軽く進めながら電工の復習も続けた。
前日は過去問の総復習。
我ながら完璧だと思った。
CCNAやLinuCの時と違って、過去問がそのまま出るという安心感があった。
試験当日、お腹が限界だった
当日は少し遠いテストセンターに向かった。
いつものところが予約できなかったので、45分ほどかかる場所だ。
電車に乗っていると、お腹が痛くなってきた。
自分はお腹がかなり弱い。
ヤバいと思い、電車を数本見送ってトイレに駆け込んだ。
何とか間に合ったが、かなりギリギリだった。
慌てて電車に乗り、テストセンターへ向かった。
受付を済ませた時には、ほっとした。
お腹の調子は少し心配だったが、何とかなる範囲だった。
PCの前に座り、試験スタート。
1問目、知っている。
2問目、知っている。
過去問通りにすらすら解けた。
最後の数問は複線図の問題だった。
分かる。
全部分かる。
Uさん、ありがとう。
学校で絶対に伝えようと思った。
早々に全問を解き終えた。
終了ボタンを押した。
合格。
9割5分ほど取れていた。
6割で合格なので、ひとまず安心した。
やっぱり過去問から出た。
先生の言う通りだった。
ビールはまだ飲まない
ただ、電工は学科に合格してはじめて実技への挑戦権が得られる。
まだ資格は取れていない。
その日はビールは飲まなかった。
実技が終わった後に飲もうと決めた。
帰ってからすぐ、工事担任者の勉強を始めた。
試験まで残り2か月。
基礎・技術・法規の3科目を合格しなければならない。
合格率を調べると、3科目一発合格は10%を切っていた。
まじか。
見くびっていた。
基礎はとことん計算問題だ。
過去問を見ても手がつかない。
YouTubeでいい動画を見つけたが全然理解できなかった。
その日は疲れていたこともあり、諦めてすぐに寝た。
切り替えが大事だ。
まずは電工学科、お疲れ様という感じだった。
K先生とUさんへ
翌日、K先生に合格と感謝を伝えた。
Uさんには、お菓子を持って伝えに行った。
2人は言った。
「自分の力だよ」と。
こういう人たちに助けられてきたんだなと思った。
その日から工事担任者の授業も始まった。
電工の実技も始まった。
一気に勉強が動き出した感じだった。
工事担任者の試験まで2か月。
CBTで電工を最短で終わらせたおかげで、2か月確保できた。
あわよくば早く形にして、電気通信主任の勉強にも取りかかりたい。
電気通信主任が一番難しいからだ。
次は工事担任者だ。
電工とはレベルの違う計算問題が待っていた。
次回の記事(第9話)
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